レッドハウス・プロジェクト 〜 その思想核「レッジョ・エミリア・アプローチ」というプログラム。

レッドハウスとは、日本全国に存在する800万の空き家や廃墟のこと。


レッドハウスの語源は レッドリスト(英語: Red List)ー国際自然保護連合(IUCN)が作成した絶滅のおそれのある野生生物のリストやレッドカード (red card) ースポーツの試合において特に悪質な反則を行ったプレイヤーに対して審判員が退場処分を言い渡す時に提示する赤いカードなどによるレッドが与える心理的イメージによる。

そしてもう一つ、 レッドハウスは、 1859年に イングランドのケント州ベクスリヒース(現在のベクスリー・ロンドン特別区)に建てられた、 アーツ・アンド・クラフツの原点となった赤煉瓦のカントリー・ハウス風建築のウィリアム・モリスの自宅兼工房。

レッドハウス・プロジェクトの思想核となる

「レッジョ・エミリア・アプローチ」というプログラム。

戦後間もない時期に北イタリアのレッジョ・エミリア市で、地域の共同保育運動として始まったこのアプローチは、理論と実践の両面に優れた教育家ローリス・マラグッツィの指導と、市当局のバックアップによりその基礎が築かれた。

人口わずか14万人の地方都市に起こったレッジョ・アプローチが、世界的な評価を受けるようになったのは、1991年ニューズウィーク誌に「最も革新的な幼児教育」として紹介されたのである。

世界の教育家やアーチストたちは、レッジョの子どもたちの高度な表現力と独創的な思考力に目を見張った。子どもの思考・表現が、一つの世界観にまで高められたメッセージとして見学者に伝わったのである。

レッジョ・エミリアの教育は、子どもと大人の双方が創造性を発揮し、美的で探求的な活動をとおして共に学び、育ちあう関わりを形成することにある。しかしそれは狭義の芸術教育ではない。ましてや大人の知識・技能を子どもに教え込むことでもない。

その能力が表面化し開花するには、自発的なコミュニケーションのチャンスが与えられる「必要」があり、そしてコミュニケーションには相手が「必要」である。

「家」づくりには、高齢者も障がい者も、女性も、そして子供たちの手が必要なのである。「生活の簡素さ」を命題とするこの小さな家は、日常を維持するするだけでも、やらねばならぬ仕事が無数にある。

だからこそ、その数だけ人々の労働が必要とされ、高齢者や子供にも、誰にでも居場所が空けられている、究極のワークシェアリング社会が営まわれている。そこは高齢者と障害者と女性と子供たち社交場であり、小さな仕事場なのである。

そして、誰もが互いを「必要」としあっているという関係を、日々、互いに自覚してゆくために、感謝の言葉とか朝晩の挨拶とかがごく当然に「必要」とされ、「心=人情」もまた、堅実なかたちで育てられていくのである。

子どもたちは身振り手ぶり、言葉、そしてアートを使って自らの思考や感情を表現し伝達する独立した個人として育つのである。

レッジョ・エミリアの教育は、一定の教具やカリキュラムにそって決まったとおりのことを教えるのではなく、子どもと保育者がじっくりとコミュニケーションを取り合いながら、ユニークなカリキュラムを協働で創り出して行くのがこのアプローチの特色である。

最大の壁は家主の無理解と利己主義に対してどのようなアプローチを行っていくのかが最大の課題になる。

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