The regionー「立体」とは「点」「線」「面」、そして「立体立体」の合流する場

都市という「立体立体」の3次元性は物理的に自明な事柄であるが「立体」であることの真意はこれまで十分に明らかにされていない。

我々の「視知覚」は対象の一面のみを捉え知的理解は事象の因果関係だけを汲み上げる。もし考察対象が物理的な立体であれば、そこには無数の視点と無数の理解の道筋があり、それだけで物的存在が人間の知覚理解の限界を超えるものであることが意味されている。つまり,立体は知覚で完結するものではなく,それが繰り返し解釈されることによって浮かび上がる認識のまとまりであり、いわば未知の総体としてアプリオリに前提されているのである。アプリオリとは、経験的認識に先立つ先天的、自明的な認識や概念である。

HECPの都市思想は曲線や模様で施された柱などを作るのに夢中になって、平面を忘れている建築家のようなものではなく、その価値を創作行為の痕跡や記録に見出している。困難な都市計画の課題も、自らの芸術性によって解決できるのだ。芸術家は形象を扱うことで、純粋な創造として、秩序を作り出す。形象によってわれわれの感覚に強く訴えかけ、造形に対する感情を呼び覚ます。そこに生み出された関係は、われわれに深い共鳴を引き起こし、世界秩序との一致を感じさせるような秩序の規範を与え、われわれの上や心のさまざまな動きを確定する。その時、われわれは芸術を感じるのである。

「家」アーキテクチャの問題にこそ、今日の壊れた均衡を再生する鍵がある。 「家」アーキテクチャか、さもなくば革命か。革命は避けられる。

日本の危機的状況の原因の根本は「家」にあって、地球規模での〝家と地区の再構築〟の観点から、初発的に「家」の形象を全ての始まりにするべきなのである。この時代の生産性の発展、市場原理主義、テロや災害高齢化問題や環境問題、貧困、共同体の崩壊などが問題となっている社会背景をもとに、崩れている人々の生活のバランスを「家」アーキテクチャーのみが修正し、新しい社会への調和と秩序を与えることができ再び安定をもたらすことが出来る。住居が変化と不調和の中で生きる人々の精神と健康に安息をもたらすことが社会のためにも必要不可欠である。

この社会の輪転ははなはだしく乱されており、歴史的な意義のある飛躍へと向うか、あるいは破局に至るか、という選択の岐路にある。すべての生物の本能は、安息所を確保すること に向けられる。今日社会の各層で働いている人々は、もはや彼らにふさわしい安息所を持っていない―勤労者も知識人も。「家」アーキテクチャの問題にこそ、今日の壊れた均衡を再生する鍵がある。 「家」アーキテクチャか、さもなくば革命か。革命は避けられる。

HECPは単にその外面的な現象形態だけではなく、根底にある意味、構造的な思想を明らかにする。そこにこそ、「家」アーキテクチャの本質的意味があるはずだ。さまざまな様式や軽薄な流行は幻想、仮想に過ぎず、それらは私たちには何の関係もない。その逆に私たちの心をひきつけるのは、「家」アーキテクチャという輝かしい減少である。私たちはそれを組織化の精神的次元と考えている。それは想像力によって、現代の諸事情の統合を表現するような関係を作り出すことが極めて重要なテーゼなのである。

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