日本の立体的政治転換点ー❶「アベノミクス」と「民進党」の同時損切り

2050年の日本は、好むと好まざるに関わらず

「現行憲法」は存在せず、「経済大国」でもない。


「デフレの完全脱却」とは、GDP成長率を年率3~4%程度まで上げるということを意味する。日本は「ゼロ」ないしは「マイナス」成長を続ける一方で、世界中の国々のGDPは伸びている。結果、日本のGDPは中国の半分、アメリカの四分の一、欧州の五分の一という水準に至っているのである。

2050年の海外の先進国との物価や賃金の格差も拡大し、すなわちその頃の日本は、モノの価格が安く、所得も低い国になっている。資源や食料の自給率の低い日本では、相変わらず石油やガスなどの資源や食料などは国内で自給できず、輸入によって庶民の暮らしはさらに圧迫されることになるのである。

アベノミクスはこうした事態を避けるためにデフレ完全脱却を目指す最大の存在理由であった。単なる「経済」問題の枠を超えた、国家のプレゼンスの問題と言っても過言ではないのである。

しかし、金融政策頼みで、規制緩和や成長戦略が実行できず、今後日本経済はインフレからバブル、ひいては国債の暴落が待っている。アベノミクスに変わる成長戦略が描けなければ、日本経済のその悲惨な顛末を目の当たりにすることになるのである。


TPP頼みのアベノミクス惨めな幕切れ

「成長戦略の柱」折れてアベノミクスは崩壊した。


TPPに参加する12カ国のうち、シンガポールのように議会承認が不要な国を除くと、協定承認を終えたのはマレーシアだけ。米国際貿易委員会(USITC)のTPP影響評価報告で「確実に経済成長する」と見込まれているベトナムでさえ、国会審議を先送りしている。それなのに日本だけが前のめりになっているのは、安倍政権がTPPを「成長戦略の柱」と位置付けてきたからだ。

安倍政権の経済政策「アベノミクス」は、「金融緩和」「財政出動」「成長戦略」の“3本の矢”が看板だった。ところが「金融緩和」では、黒田日銀が2013年4月に「2年間でインフレ目標2%達成」を掲げ、「国債購入年間80兆円」や「ETF購入年間6兆円」によって市場をカネでジャブジャブにしたものの、いまだに目標達成はホド遠い。その上、国の借金は今や過去最大の1062兆5800億円まで膨らんでいるから、オイソレと「財政出動」もできない。要するに2本の矢はとっくに折れていて、最後の頼みの綱がTPPだったのである。

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