テロや自然災害時において、自助・共助の地域復興機能を果たす、オルタナティブな行政機能、SGI(シャドウ・ガバメント・イニシアチブ)。
その中心に存在するのが「いざという時の市長」である。
わが国は「地震列島」と呼ばれるように、非常に地震が多い国であり、歴史的に見ても、全国各地で巨大地震の被害を再三にわたり受けてきている。現在日本列島は、ほぼ全域で大地震の活動期に入りつつあり、巨大地震は周期的に発生しているので、今はいつどこで発生してもおかしくない時期に来ている。
震災復興においては、●自治体の職員不足、●労働者と建設資材不足●用地不足●住民の合意不足などと、「復興」が進まない理由をいろいろ説明されるが、あれこれ国や行政の不足を言ってみても仕方がない。今までの復興の在り方を見ても、問題の解決を国や行政の既存の仕組みに任せているだけでは進まない。
高齢者が、地域社会の復興の主役となり、家の復旧などの「小芸術」を表象を担う。「小芸術」とは具体的には「家造り」「家具木工」「小物雑貨」などの工芸であるとされ、日常生活において一般の民衆によって使用されるものの表象を意味する。彼らは現代の「小工」という新しい職分に位置づけられる。
現役世代の大規模インフラや都市開発の建築技術よりも、今後においては、災害復興での図面を必要としない、「長年のあれ」による家や地区の再構築力が求められている。
家と地区の再構築をやり終えた「小工」は、様々な地域で群発する災害において、復興再生のリレーショナルな伝承の役割を果たすのである。
そして、その中心的リーダーが、地域のことを熟知し、経験・知識・技能から培った「長年のあれ」を持ち備えた「いざという時の市長」である。
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