「蒲生三丁目の家」は高齢者と障害者と女性と子供たち社交場であり、小さな仕事場です。
「蒲生三丁目の家」には廃材コーナーがあり、家電や機械の部品パーツ、紙箱や木材など、街から集められた廃材が取り揃えられています。ショップの中には簡単な製作コーナーもあり、手に入れた素材をその場で切ったり貼ったりできます。 子どもたちが普段与えられる工作材料とはひと味違う、廃材という魅力的な素材を手にし、想像力を働かせてつくることを楽しみながら環境やモノの循環について考えることができる場なのです。
こういう循環型社会を構築するための家電リサイクルというときに、一番手間が掛かるのがゴミなどを回収・分別していく作業で、これにものすごい人手間が掛かります。たとえば、これを省力化する技術を開発すると、かえって失業が増えてしまったりします。ここでは廃品の回収から雇用を創出するという方向で循環型社会を構築していきます。ゼロエミッションで全て資源化することで、 街中のゴミがなくなる。そういうところが、いわゆるサステイナブルシティの統合的なアプローチとして重要になってきます。
リ・コンシャスな循環型のモノづくりには、高齢者も障がい者も、女性も、そして子供たちの手が必要なのです。循環型のモノづくりにはやらねばならない仕事が無数にあります。だからこそ、その数だけ人々の労働が必要とされ、高齢者や子供にも、誰にでも居場所が空けられています、究極のワークシェアリング社会が営まわれています。そこは高齢者と障害者と女性と子供たち社交場であり、小さな仕事場なのです。
そこでやっているのが廃棄される家電製品を引き取って、アートとして、アップサイクルなアートリノベーションを行うというプロジェクト。廃棄されたパーツやアッセンブリをアーツアンドクラフツを施し、コンバージョンされた作品は、BtoBで店舗や企業にディスプレイオブジェやデジタルサイネージとして販売されます。この修理をする人たちで雇用を創出して、そこの地区の高齢者や障害者などのチャレンジドをはじめ、失業者やプレカリアートを吸収していきます。家電以外でもダンボールなどの梱包材を資源としたロボット型の様々なキャラクター立体POPが展示されています。また、ダンボールのショーカードやプライスカードなどのハンドメイドPOPのトレーニングも行なわれ、一枚100円のアートワークを企業に対してのアプローチとマネジメントを行っています。特に女性や障害者のホームワーキングの強化を目指していきます。これはたしかに廃棄の量を減らしてリユースを促進するという意味で循環型社会に貢献していて、しかも社会的な面では失業を減らしています。
廃材を利用したアートワークや、そのきっかけをつくる社会的活動や取り組みは「Creative Reuse(クリエイティブリユース)」とも呼ばれ、アメリカやオーストラリア、フィンランドなど各地に拠点がつくられています。 NPOなどが主体となって廃材バンクのような場所を設け、子ども向けのワークショップを開くなどさまざまな活動が展開されています。
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