量産される「危ない間取り」ー 法や政策、制度の策定において最も重要なのは「直下率」である。

知識権威の「小さな脳みそ」は自分の専門的豆知識のことでいっぱいだ。


戸建て住宅の構造材を加工するプレカット工場にバランスの悪い「危ない間取り」の設計図が持ち込まれるケースが目立ち、多くはそのまま建設されている―。具体的には1階と2階で柱の位置や壁の位置が半分以上、合っていない住宅だ。

1階と2階の平面図を重ね合わせると、2階の柱や壁の下にそれを支える柱や壁が存在しない。1階と2階の柱や壁の位置が合致している割合を「直下率」と言うが、柱の直下率が50%を下回ると、横架材がたわんで2階の床に不陸などが発生する事故の発生率が3倍以上に高まるという調査結果がある。さらに地震に耐えるための性能が落ちる可能性もあるという。

木造2階建て程度の住宅は壁量計算で構造の検討を行うことが多いが、いくら壁量計算で偏芯率や壁量を確認しても、前提条件が崩れた間取りでは弱点が生じる危険もある。せっかく配置した耐震壁が有効に作用せず、地震時に大きなダメージを受ける可能性がある。

なぜ、設計の基本とでもいうべきことが守られず、バランスの悪い危ない間取りが量産されるのか? 建物全体としての構造を検討せず、建て主との打ち合わせで1階と2階の間取りをそれぞれ別々に決めて、そのまま突っ走ってしまうケースが多いのではないかと推測される。在来木造は自由な間取りが可能というイメージもこういった傾向に拍車をかけている。


政治家や知識権威の考えるダイバーシティは

直下率の概念が理解出来ていない


同じ位置に柱が通っていなければならないのは、立体の基本中の基本。

それは建築の世界だけではなく、政策制度においても同様である

私たちの目指す社会は、あらゆる面において多層的だ。つまりその外形は多層キュビズムにおけるインテグリティは不細工で、不揃いだ。ダイバーシティの人権や環境、共同、公共を具象化していくと合同な正方形で囲まれた立方体ー正六面体の具象化ではおさまらない。

インテグリティとは、誠実、完全性、全体性、整合性、統合性、などの意味を持ち、人間は誰しも自分の直面する世界について、あるイメージを作って生きている。これを世界イメージ、世界観、あるいは単に生活観のようなイメージをできるだけ広く筋の通ったものにする努力、それが思想であり、そうした全体としての一貫性を示すのがインテグリティintegrityと言う表現である。

人間の本性には競争、不信、自尊心の情念があり、これらは不可避的に敵対関係を創出する。したがって人間はこの敵対者に対して先制攻撃を加えることで殺害または服従させるかを選択することになる。これは人間の自己保存が最重要の価値と見なされる自然権であり、この自然権を追求することは自由でなければならない。

しかし、一つの層で自由に自然権を行使すれば人々は常に攻撃される危険に晒されることになり、結果的に自然状態は敵対や反発に発展する。このような状態では人間は永続的にリスクに備え続けなければならないのである。

自然状態での諸問題を解決するためには自然権の行使を抑制し、また共通権力によって相互の約束を監視することが必要である。それが多層な立体社会における柱になり、各層との関係性においてはその直下性が極めて重要になってくるのである。

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