『おもてなし』よりも、『思いやり』の国へ❶おもてなし大国・日本の「思いやり指数」は世界最低レベル


世界で最も他人に冷たい先進国、日本の『おもてなし』とは



日本は本当に外国人をもてなす気があるのか

イギリスのチャリティー団体Charities Aid Foundation (CAF)は毎年、世界寄付指数 (World Giving Index)と呼ばれる、人助け、寄付、ボランティアに関する指数を公表している。世界寄付指数は、その国の住人がどれだけ他人に対して暖かいか、あるいは、冷たいかを知る目安となる。

世界でも有数な豊かな国の一つであるはずの日本は他人に対して冷たい国である事が一目瞭然だ。ボランティアに費やす時間は増加傾向にあるが、特に人助け指数が135カ国中134位とカンボジアに続き世界ワースト2位だ。大震災が起こった2011年にピークに達して以降、寄付指数は減少を続けている。

日本の世界寄付指数が90位と残酷な状況にある理由としては複数考えられる。寄付をアピールすることを良しとしない傾向、チップ文化の不在、ムラ社会を基盤とした文化背景、弱者救済を積極的に行うキリスト教の低い普及率、他人を思いやる心を醸成する教育の不足、長い不況にあえぐ経済、じわじわと高まる失業率、国力を奪う少子高齢化──いずれにせよ、世界で最も他人に冷たい先進国、それが今の日本なのである。

日本は生活保護などの貧困対策への反発が高い国である。

日本ではひとたび生活保護の充実を訴えれば、自己責任論が幅を効かせることになる。民間による支援の受け皿が発達している欧米と異なり、日本では民間支援を期待できる状況になく、文字通り行政による支援が最後の砦となっている。

貧困問題が深刻化しつつある今、長期的視野に立ってこの状況を改善していかなければ待っているのはディストピアだ。経済的・精神的余裕の無さの現れか、ネット上ではこの傾向を助長するかのようなコメントが溢れている。どうも悪い方向に向かっているように思えてならない。上っ面の「おもてなし」よりも、まずは、「おもいやり」を見つめ直すべきではないのだろうか。

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