HECP とは「集団的」な叡智。

「個」の時代などとっくに終わっている。世界史的スケールで見ると、世界は「集団」のプロセスに入っていると私は見ている。「重なり」と言ってもいいし、「合意」と言ってもいい。


『「個」のイノベーションに駆動されて加速度的に変化し成長し続ける世界』というイメージはもう終わりに近づいている。別にそれが「悪いもの」だから終わるのではない。その変化が加速し過ぎたせいで、ある時点で、その変化のスピードが生身の人間が耐えることのできる限界を超えてしまったからである。もうこれ以上はこの速さについてゆけないので人々は「ブレーキを踏む」という選択をすることになった。

HECPという運動は別に誰かが「そうしよう」と決めるわけでもないし、主導するような社会理論があったわけでもない。集団的な叡智が発動するときというのはそういうものである。相互に無関係なさまざまなプレイヤーがパブリックネスに相互に無関係なエリアで群発的に同じ行動を取る。今起きているのはそれである。『「個」の暴走を止めろ。変化の速度を落とせ」というのが全世界で起きているさまざまな現象に通底するメッセージである。』

辻廻 六十

0コメント

  • 1000 / 1000