STAND 0.0 understand〜アンダースタンド〜

復興とは、鎮魂と生活再建の共存を可能とする『家と地区の原風景の再構築』である。


〝STANDにおける復興支援に関する基本的な立場〟


“understand” とは「理解する」だ。「アンダーにスタンドする」、つまり「下に立つ」。あるいは「人の下に立つ」というのは、その人の立場になって物を見る、その人の足場に立って物を考える、ということにつながる。人を理解することとは、その人の足元に立つ、その人の下に立ってみて同じ立場で考えることが、その一歩だというわけである。

家族を失い、家を失い、職を失った被災者の喪失と悲哀は誰しもが想像に難くない。被災者は故人と向き合い対話しながら故人の意思として残された者たちが幸せに生きることを願いながら逝ったに違いない、さらには自分たちの町や村を再建してほしい、と故人の意思を聞き取り、故郷の住と職を再建しようとする被災者の意思を受け止めるのであれば、被災者が主体となり、鎮魂と生活再建の共存を可能とする『家と地区の原風景の再構築』を目指すべきである。

復興とは、インフラ整備や住宅の復権にとどまらず、《過去における記憶》と《未来における希望と欲求》よりなるも のでなければならない。 そして、悲しみを帯びた叙情性,衝動性が優位を占め,そこでは,心の痛みと喜び,生と死,精神と肉体という対 立するものが混じり合い,神格化され,神秘的魅力が生じるわけである。記憶との調和による欲求を 未来における希望と捉え,郷土再生のエネルギーに転換させていかなければならない。また,こうした欲求 =希望は,生理的欲求,安全欲求,愛と所属の欲求を超える,自立性を結果として獲得する承認欲求か らさらに高度な自己実現欲求を求めるものである。「記憶と欲求が混淆し,互いに浸潤し合い,後に新たな感情となって殺到する。情緒もまた意識現象であるならば、情緒とは、ある対象への態度や価値づけの意識(志向性)ということになるが、復興における人びとの情緒は、本来、個人の願望(願い)と記憶(思い出)を基本的な構成要素とする意識現象であり、この情緒を有する者は過去の記憶のなかに残る人や物、時間や空間を現在に取り戻したいとする願いを有し、その願いのなかで苦悩している。

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