レファレンダム❶ー「日産は買わない、という選択。」


日産は「企業犯罪」の隠蔽の役割を果たす、

アカウンタビリティー・ヘイブン(責任回避地)


日産自動車は2370億円を投じて三菱自動車を事実上の傘下に収めることを決定。軽自動車の燃費偽装問題の発覚からわずか3週間、急転直下の展開は業界に大きな驚きを与えた。あれよあれよという間に、すべてのことが進み、「覚書」の段階とはいえ、当初から予定されていた日産の決算発表をずらして、5月12日(木)午後4時には日産のカルロス・ゴーンCEOと三菱自動車の益子修会長が参加しての共同記者会見を開いたのだ。テレビや新聞メディアの報道は、三菱自動車が起こした不祥事から、1000万台クラブへの入場切符を手に入れた話にすり替わるわけで、不祥事に関する報道がしりすぼみになる可能性は否めない。



三菱自・日産による、「焼け太り」の犯罪ロンダリング


「それにしても、この提携の真意とは一体何なのか。うがった見方をすれば、三菱自動車が先の見えない不祥事からの抜け道を見つけ、同時に日産も提携によってメリットを見いだせるた”出口”を見つけたようにも思える。今回の燃費に関する不祥事も、ひとえにエンジニアのせいというわけでもない。組織として無理難題を通す体質が問題であり、燃費目標として掲げられた数値を達成できないことを正直に報告できる風土がありさえすれば、ダイハツ工業に負けても、他社と比べて燃費性能が極端に見劣りするわけではなかったからだ。」



日本人は熱しやすく冷めやすいということを

日本通の日産ゴーン氏は見透かしている。


 「シャープが鴻海(ホンハイ)精密工業に買収されたときのように、「外国企業の手に委ねられるよりは、日本企業の傘下に入ったほうがマシ」という意見もあるが、ルノー日産を日本企業と捉えるのは極めて滑稽である。不祥事を起こした割に、世界有数の規模を誇るアライアンスの一員になるというのは、なんとも甘く虫のいい話で、「焼け太り」、「盗人猛々しい」と非難されても致し方ない。



未来の人類の存在を手中にしている現在の世代は、未来の世代に責任を負うている。


三菱自の燃費情報偽装や過去のリコール隠しに加担した従業員は、単に職務を遂行しただけの平凡な人間なのである。過去のリコール隠しの背景には一人の尊い命が失われているにも関わらず、責任を他者に転嫁した。ハンナ・アーレントのいう、悪魔的な罪は凡庸によって行われる、というものであり、決して大げさではなく、「何も考えずに指示に従い、考えることをやめる、すなわち人間性を捨てた平凡な人間が人類に対して罪を犯したのだ」ということだ。「自発的に行ったことは何もない。善悪を問わず、自分の意思は介在しない。命令に従っただけなのだ。」このような典型的なナチの弁解で分かる。世界最大の悪は、ごく平凡な人間が行う悪だと。そんな人間には動機もなく、信念も邪心も悪魔的な意図もない。人間であることを拒絶した者なのだ。ハンナ・アーレントはそれを「悪の凡庸さ」と名付けている。

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