「STAP細胞はあります」



現代科学の射程の狭さと研究の片傾斜による、

普遍的現象における洞察と思考の不足



細胞(さいぼう)とは、生物体の構造上・機能上の基本単位とする〝概念〟であり、それ自体を〝生命体〟と言うこともできる。細胞を〝アッサンブリ〟として→組織・器官→個体へと向かうのである。生命とその運動は〝フラクタル〟であり、〝スペクトラム〟という連続性により成り立っている。その上で、生命には〝不思議〟が存在する。「不思議」は「不思議」であって、決して「謎」ではない。科学者が「不思議」を「謎」と誤解し、もっともらしい「解答」を導き出しても、こうした「謎解き」は、所詮こじつけの「レトリック」に過ぎないのである。


今年3月10日、ドイツの名門大学、ハイデルベルク大学の研究グループがSTAP関連の論文を発表した。小保方氏が発見したSTAP現象を、がん細胞の一種であるJurkatT細胞を用いて再現実験を試みた。同細胞に対しては、小保方氏がネイチャーで発表した細胞に酸性ストレスをかける方法ではうまくいかなかったため、独自に修正した酸性ストレスをかける方法を試してみたところ、細胞が多能性(体のどんな細胞になれる能力)を示す反応を確認した。それと同時に細胞が死んでしまう現象も確認されたので、何が細胞の運命を分けているのかを探っていきたい。という内容である。

また、テキサス大学医学部ヒューストン校やピッツバーグ大学医学部の研究者たちが発表した「Characterization of an Injury Induced Population of Muscle-Derived Stem Cell-Like Cells(損傷誘導性の筋肉由来幹細胞様細胞群)」という論文が話題を呼んでいる。

「マウスから採取した筋肉の細胞に刺激を与えた(損傷させた)ところ、(ES細胞やiPS細胞のようにさまざまな細胞になることができる)幹細胞に"似た"細胞ができた」ということを発表、これを「iMuSCs細胞」と名づけている。

確かに、手法や結果は小保方氏のSTAP細胞とはまったく異なるが、複雑な工程を経ることなく幹細胞(万能細胞)に近い性質を持つ細胞を生み出したという点に着目すれば、今回の研究の方向性が、少なくともSTAP細胞と同じ目標を見据えたものである。



免疫力を高める「茄子」という植物。

「免疫」という体を守る大事なシステムは、数多くの免疫細胞のチームプレイによって機能しているのだ。


茄子特有の紫色は「ナスニン」や「デルフィニディン」などの成分によるもので、これらはアントシアニン系色素で、ポリフェノールの一種である。また一般になすのアクの成分であるクロロゲン酸もポリフェノールの一種だ。

近年農林水産省食品総合研究所の研究により、茄子は、活性酸素を抑える抗酸化成分が豊富であり、発ガン物質によって体細胞がガン細胞に変化することを防ぐ作用に優れ、しかも野菜の中でもトップクラスであることが報告されている。


傷もの茄子にはポリフェノールが2倍ある


傷のついた茄子は、ポリフェノールが通常のなすよりも2倍も多く含まれていることがわかっている。

よく話題になるポリフエノールとは、果物や野菜に含まれる色や香り、アクなどの成分。植物に含まれる色素やアクの成分に機能性があると期待されている。ファイトケミカルの一種である。

ファイトケミカルは、主に果物や野菜に含まれる(魚介類や海藻などに含まれているものもある)、栄養素以外の成分(非栄養素=機能性成分) で、栄養学の世界では、第7の栄養素として脚光を浴びている。

ちなみに、その他の主な栄養素とは、3大栄養素であるビタミン・ミネラル・脂質。これに糖質・たんぱく質を加えたものが5大栄養素。さらに第6の栄養素と呼ばれている食物繊維がある。

その注目される理由は、体を老化させ、生活習慣病などを引き起こすといわれる「活性酸素」を除去する作用が働きとともに、白血球を活性化して免疫力を高める、花粉症等のアレルギー対策などに役立つ、またアルツハイマーの予防にもつながるのではないか?などとも考えられ、ますますその機能性に期待が寄せられている。

茄子に刺激を与えた(損傷させた)ところ、傷んだところを修復しようとがんばるために、傷のない水なすと比べてポリフェノールが多くなる。動物も、ケガをすると自然治癒力が働いて治そうとする。例えば、「膿み」は、炎症をおこすと出るものですが、必要なものでもあるのだ。傷の部分に細菌が入ろうとするのを白血球が防御し、白血球が細菌と闘ったあとの死骸が膿みである。なすの傷も、膿みのかさぶたのような、自然治癒力が働いた証というわけなのである。

植物は動物と違って動けない。でも害虫や日ざし、湿度などの過酷な環境のもとで、自分の身を守るために活性酸素を抑える抗酸化作用があるファイトケミカルを多く含んでいる。野菜や果物を食べると、私たちのカラダの中でもその抗酸化作用が働いてくれるというわけである。


植物と動物の境界線とは何か。


「動き、食べるもの」と「動かず、光合成を行い、食べないもの」、これが動物と植物という対立概念で、動物と植物の違いを質問すると、たいていこの答えが返ってくる。また、植物は系統の異なる生物の寄せ集めなのである。これに対して、動物はひとまとまりの生物である。動物と植物の境界線は、真核生物の系統の中に埋もれているとも言える。植物も私たちと同じ多細胞生物であり、多くの細胞 (cell) からできている。



「万能細胞は〝茄子〟からでもできる。」

ただ、人と科学がイメージできないだけだ。

ー「命」とはそういうものである。


STAP細胞のような簡単な手法で万能細胞ができる可能性について、科学界ではあって当然のものとして誰もが認めている。まさに基本中の基本であり、それを誰が最初に見つけるかを争っているのである。また、2014年に香港・中文大学でSTAP細胞実験が成功したという報告もある。後に教授自らが結果を否定するなど、アメリカの陰謀論による事態は混乱体を示しているが、京都大学の山中伸弥教授は、手法や結果は小保方氏のSTAP細胞とはまったく異なるが、複雑な工程を経ることなく幹細胞(万能細胞)に近い性質を持つ細胞を生み出したという点に着目すれば、今回の研究の方向性が、少なくともSTAP細胞と同じ目標を見据えたものであるという点だけは間違いないだろう。と述べている。STAP細胞あるいはSTAP細胞と似た細胞はあると考えるのが自然の摂理にもかない、科学的にも極めて合理的な考えであるといえるのである。

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